走り方やトレーニングの指導をしていて感じることがあります。
言葉の力です。
はなった言葉のとおりに行動が変化していくのです。
例えば、腕を高く上げるトレーニングを実施していた際に、上げる腕の高さが十分でない子がいました。
この子に対して、
腕が「まだまだ低い、もっと上げてこう」と伝えるか、
「6割まで上がってるよ。もっと上げてこう。」と伝えるかで、
その後の動作に大きな違いがでてきます。
後者の方が、動きの改善が多く見られますし、さらに重要な点は、子供たちもイキイキとしてくるのです。
前者は、「低い」ことを伝えていますが、
後者は、「上がっている」ことを伝えています。
100%を基準にすれば、前者のように、「低い」、もしくは、「上がっていない」ということになりますが、0%を基準とした場合は、当然、「上がっている」ことになります。
両方とも事実ですが、指導者の認識の違いで言葉が異なり、子供たちに影響を与えていくのです。
このように指導をとおして、言葉の重要性を強く認識することが多くありますが、北原白秋の「ひとつのことば」の詩には、言葉の力が端的に表現されていますのでご紹介したいと思います。
『ひとつのことば』 北原白秋
ひとつのことばでけんかして
ひとつのことばでなかなおり
ひとつのことばで頭が下がり
ひとつのことばで心が痛む
ひとつのことばで楽しく笑い
ひとつのことばで泣かされる
ひとつのことばはそれぞれに
ひとつの心を持っている
きれいなことばはきれいな心
やさしいことばはやさしい心
ひとつのことばを大切に
ひとつのことばを美しく
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