昨日、全米選手権の10000Mにおいて優勝したゲーレン・ラプ選手の高校生時代の写真です。
オレゴン州の高校選手権大会時、スタンドから撮影したもので、トラックを1人走っているのがラプ選手です。
私がウインストン・チャーチル高校陸上競技部のコーチをしていた時のもので、ちょうど8年前になります。
この当時から、身体全体で走るランニングフォームが身についており、現在は、全体の動きの「まとまり感」に磨きがかかっています。
しかし、一方で肩が上がったランニングフォームも当時と変わっていないようで、2週間前のレース時(プリフォンテイン・クラシックで5000mを12分台で好走)も同様でした。
その中で、面白い記事を見つけました。
記事には、ラプ選手を長年指導しているアルバート・サラザール氏のコメントが掲載されていました。
上記大会後の2週間で上半身の柔軟性が大きく改善されたという内容です。
サラザール氏もラプ選手の上半身が「tight:かたい」であることを気にしていたようで、その対策をトレーニングコーチとともに実施した結果、大きな進展があったようです。
ランニングフォームを変化させる際によくいわれることが「意識して直す」ことですが(私自身、ランニングフォームを改善させることにあたって「意識する」ことについて懐疑的です。)、
今回は非常に短期間の変化ですので、物理的なアプローチがなされたように思います。
これまでも、ラプ選手、並びにコーチのサラザール氏、そして、ナイキ・オレゴンプロジェクトについて書いていきますが、彼らの取り組みについて、陸上競技だけでなく、スポーツ競技全般において有益な情報となるように思います。
一陸上ファンとしてもそうですが、トレーニングコーチとしても今から映像を見るのが楽しみです。
※ナイキ・オレゴンプロジェクト:
スポーツメーカーのナイキが設立した陸上競技クラブ。80年代以降、アメリカ人選手が陸上競技長距離種目において不振が続いており、その現状を打開する目的で、ナイキ本社の近くに選手を居住させて練習を行っています。
知人の選手もこのクラブに所属していましたが、巨大スポーツメーカーだけあって最先端のスポーツ科学を導入しているようです。
現在は、ラプ選手等、アメリカのトップ選手をはじめ、昨年、世界陸上5000mで優勝したイギリスのファラー選手なども所属しています。
ナイキ社の共同創設者である故ビル・バウワーマン氏(オレゴン大学陸上競技部の元監督)、フィル・ナイト氏(同大陸上競技部出身)の経歴をみると、このクラブをナイキが設立した理由もわかりますね。
ちなみに、ラプ選手、コーチのサラザール氏もオレゴン大学出身です。
つまり、ラプ選手は私の後輩ということになります(笑)
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